『外国語学習の科学』で第二言語習得論を元にした英語学習を アウトプットの必要性とは

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経験談で語られがちな語学学習

語学学習は経験談が語られがちです。
自分がやってみて効果があったことや語学が得意な人によるアドバイスが,ネットの世界にも書籍にも溢れています。

経験談で英語学習のヒントが得られる!
経験談を読むとモチベーションが上がる!

そういう経験をあなたもしていると思います。

でも経験談はあくまでもその人の経験。

経験談を話す人に有効だったものが自分にとって有効だとは限らず,経験談を話す人は自分の経験をすべて語っているわけではありません。

母語以外の言語習得を科学的に解明しようとするのが「第二言語習得」の研究者たちです。
実験や調査を行い,汎用的な言語学習法や指導法を明らかにしています。

 

本の内容

「第二言語習得」分野における基本理論が学べます。
巻末には用語集もあり,言語習得の基礎を学べる教科書的な本ですが,一般向けに書かれているので読みやすいです。
著者は,言語習得が専門の,アメリカの大学で指導した経験がある専門家です。

外国語習得は,

音声 → 文法能力(単語と文法を使って1文作れる)→ 談話能力(複数の文をつなげて会話にする) → 社会言語能力(TPOに合わせて言葉を使える)

の順で行われると述べられています。

外国語学習への適性についてもまとめられています。

適性を測定する MLAT (Modern Language Aptitude Test) というのがあり,
・音に対する敏感さ
・文法に対する敏感さ
・丸暗記する能力
・意味と言語形式との関連パターンを見つけ出す能力
を指標としているようです。

 

アウトプットを意識した英語学習を

言語習得に必要な最低条件は「インプット」と「アウトプットの必要性」

と,著者は本書で述べています。

「インプット」と「アウトプット」だけならスルーするところ,アウトプットに「必要性」が入っているんです。

「必要か必要じゃないか」は,行動を起こすか起こさないかを決める大きな要素です。

必要じゃないなら行動しなくても問題なし。

アウトプットはインプットよりはるかに負荷が高いので,必要性がなければなかなか続きません。
ちなみに,必要性がないのに意志の力で行動することはオススメしません。
よっぽど強い意志の力がないと無理です。

英語をアウトプットせざるを得ない状況を作るほうが現実的です。
外国人の彼氏や彼女を作ると英語ができるようになるとよく聞きます。
「インプット」も「アウトプットの必要性」も満たしていますよね。

・自分の英語アウトプットを評価してくれるサービスに申し込む
・オンライン英会話を定期的に行う
・英語を使わざるを得ない企業で働く

なども方法として有効です。
ぜひ自分に合うものを見つけてほしいと思います。

著者は「アウトプットの必要性」に関連して,

アウトプットそのものはしなくても(実際に話さなくても),頭の中でリハーサルをすることで話せるようになる

と仮説を述べています。
頭の中で英語で何を言うか考えたり,聞いたり読んだりした英文を実際に使う状況をイメージしながら学習したりできますね。

でも頭の中でリハーサルするのに,必要性が必要ですね?

 

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