こんにちは,ヨカワユキです。
✓英語の勉強に活かせる方法が知りたい
✓今の英語学習に行き詰まりを感じている
人は一読の価値ありです。
本の内容
学び方を研究する学問=学習学。
認知心理学者による記憶・学習の研究結果から,複雑な知識や技術を習得してきた人たちの実例まで,興味をそそられる話が満載です。
1章に本書の要点がほぼすべて網羅されています。
1章にまとめられている「学習に関する提言」は,2章以降で具体例を交えて詳しく説明されます。
実はこの構成も学習学の手法を取り入れたものです。
同じことを時間を空けて学ぶことで記憶に残りやすくし,同じことを違うコンテクストで取り上げることで理解を深めるという手法です。
本書における学習の提言とは,
・本当に学べているかどうか判断するのは難しい
・テキストの再読や集中練習はきわめて非効率
・覚えたことや知っていることを記憶から呼び出す,想起学習が効果的(テストを学習の手段にする)
・2回目以降の学習は,少し忘れたころか,別の学習をいくつか挟んだあとにする
・答えを教えられる前に問題を解こうと努力する
・自分の好みに合うスタイルのほうがよく学べるという主張は,実証研究によって裏付けられていない
・問題に答えるときに基本原則や法則を導き出すことに慣れれば,なじみのない状況でも正解を見つけられる
・人は「知っている!」「できる!」と錯覚しやすい
・新しいことを学習するには,土台となる予備知識がいる
・新しい知識をより大きなコンテクストに組み込むことで学習効果が高まる
・新しく学ぶことから重要なことを読み取る→メンタルモデルを作る(イメージ化)→既存の知識と関連付ける,で複雑なことを学びやすくなる
・新しいことを学ぶたびに脳に変化が起きている
・学習時間の長さで習熟度は測れない
・重要かつ具体的で,自分に関わってくればくるほど学習は強化される
著者は,「われわれが金科玉条のごとく信じてきた学習法の多くは無駄な努力だ」と述べています。
そして,「多くの場合,生徒は明らかにまちがった方法で指導されている」とも述べています。
あなたの今の学習法は,効果が上がるという裏付けがありますか?
なんとなくそうするのが当たり前,と思い込んで行っている学習法でしょうか?
想起学習(テストしながら学ぶ)はけっこう辛い
自分で自分にテストをしながら学習する想起学習は,効果的な学習法の1つとして提案されています。
少し前から学び始めた中国語学習に,私は想起学習を取り入れました。
・単語カードを作り,単語を見て発音しながらその単語の意味を思い出せるかテストする
・学んだ文法事項を何も見ないで頭の中で再度思い出し,整理し直す
想起学習に比べたら,テキストの読み直しや誰かに教えてもらうことは大変楽です。
つい楽な(非効率と言われている)テキストの読み直しに戻りたくなります。
想起学習を始めたころは自分のできなさにうんざりしていましたが,「そう簡単にできるようにはならない」と開き直ることにしました。
できないところが分かればそこにフォーカスして学習できるし,できるようにするためにどんな学習をすればいいか考える機会になります。
そして,効果的な学習を続ければできないことができるようになっていきます。
楽して簡単にできるようになることはありません。
辛さは深い定着を促す学習をしている証!
学習を続けて脳が変わるなら,将来何かができる自分になっているはず!
失敗したり間違えたりしても,次の学習で活かせる!
と自分を鼓舞していきたいですね。
教師向け学習の基本概念
著者が提示する,教師が学生に伝えるべき学習の基本概念です。
・簡単な学習はたいてい表面的ですぐに忘れる
・知能のすべてが生まれつきではない。
・努力を必要とする学習によって実際に脳は変化する;神経の新しいつながりが生まれ知識が向上する。
・解き方を教わる前に新しい問題を解く努力をするほうが,教わった後で解くよりも学習効果が高い。
・どの分野でもすぐれた成果をあげるには,現在の能力水準を超える努力を惜しんではならない。
・努力は本来挫折に終わることも多いが,習熟する方法の調整に欠かせない情報が得られることも多い。
英語学習の個別サポート,承ります。
下記からご連絡ください。
実際にテストしてみると,想定以上に正しく思い出せません。