こんにちは,ヨカワユキです。
✓リーディングとリスニングばかり学習している
✓スピーキングとライティングばかり学習している
なら,自身の英語学習におけるインプットとアウトプットのバランスについて振り返ってみるといいかもしれません。
出せるものがなければ出せない
空っぽの財布を持ってお店に行っても何も買えないのと同じです。
『外国語学習の科学』の著者も,このことについて述べています。
アウトプットそのものは新しい言語材料,言語知識の役に立たない,言いかえると,自分のすでに知っている知識を使って何かをする,ということにすぎない,という当たり前の事実が案外見落とされている場合が多いので,その点は注意しておくべきでしょう。
白井 恭弘 『外国語学習の科学-第二言語習得論とは何か』
「英語を話せるようになりたい!」といきなり英会話を始め,「全然話せない」「話せるようにならない」と撃沈してしまう人がたまにいます。
完全に,アウトプット前のインプット不足です。
何をインプットするのか
インプットするのは主に,英語の音,基礎単語,文法です。
①英語の音
英語の音は日本語の音とは異なります。
英語は強弱のリズムがはっきりとした言語です。
また英語では,日本語では区別する必要のない音が区別されていたり,日本語にはない発音の仕方をする音があります。
母語がすでに確立している場合,母語以外の言語を学ぶときに母語が干渉することは避けられません。
日本語が母語の人は,日本語を聞き取って理解するのに適した耳を持っています。
なので,英語の音を理解し,聞き分けられる耳にしていく必要があります。
②基礎単語
文は,単語を文法に従って並べることで作れます。
よって,単語を覚えることはマストです。
とはいえ,英語で使われている単語は数え切れないほどあり,どこまでも覚えようとするとキリがない…。
困ったらまずは,NGSL(New General Service List)を覚えましょう。
NGSLには2800語の単語があります。
基礎英単語(NGSL) / 和訳 / 4択問題からも学習することができます。
③文法
文法を覚えることも英語学習にはマストです。
文法を知らないと文が作れません。
英文法で絶対的に知っておく必要があることは,英語は語順でも意味を伝えているということです。
同じ単語でも文のどこにあるかで文意は変わります。
例えば,
Miyu loves Jun. (ミユはジュンが好き。)と
Jun loves Miyu. (ジュンはミユが好き)では,
意味が逆転します。
そして,命令文以外のどの文章にも主語と動詞があります。
英語で何かを説明するときには,説明するものを先に言って,そのあとに説明内容を言う,ということも重要です。
例えば,
トモが昨日買ったりんご は,
英語では,the apple Tomo bought yesterday
になります。
これらは日本語の文法と異なっているため,特に気をつける必要があります。
文法は,英文法のテキストを使ってまず一通り学んでしまうことがオススメです。
基本的な英文法の全体をざっくりとでも把握しておくとその後の学習が楽になるからです。
まずは中学校で学ぶ英文法を一通りおさえ,そこに高校英文法の範囲の助動詞や完了,仮定法などを加えていきましょう。
文法を覚えるときには必ず,例文などの具体例も使って「型」,「何を伝えるか」,「文中での現れ方」の3つをおさえましょう。
リスニングとリーディングを通じた インプット&アウトプットリハーサル(インプットしたものを使う練習)
インプットとアウトプットリハーサルは主に,英語のリスニングやリーディングで行っていきます。
①英語の音
英語の音をたくさん聞いてください。
英語の音を理解し慣れることが目的なので,聞き流しでもOKです。
洋楽は英語のリズムや音声変化を体感しやすいのでオススメです。
たくさん聞いたあと,あるいは並行して行うとよいのは,音を聞きながら意味をつかんでいくことです。
はじめはシンプルで短い文章から。
慣れてきたら,自分が知っている内容やトピックの文章で試してみましょう。
文章が長くなると,意味理解のスピードが追いつかず,何の話かよく分からなくなることがあります。
英語の文章の基本は主語と動詞であり,それが分かればたいてい概要をつかめます。
また,聞き取れなかった文章は,何度も聞いたり,スクリプトを見ながら聞いたり,真似して発音したりし,学んだ英語の音のデータをどんどん自分の頭にストックしていきましょう。
実際に動かすことなしにできるようにはなりません。
②単語
NGSLの基礎単語を覚えたら,自分の目的に応じて単語を覚えていきましょう。
英検やTOEICなどの試験を受けるのであれば,それに対応した単語帳を使うのがよいです。
単語帳以外にも,英語のリスニングやリーディングのスクリプトを積極的に単語学習に活用しましょう。
英語を聞いたり読んだりしたとき,分からない単語があれば辞書やネットを使って意味や使い方を調べます。
余力がある場合は,『英語独習法』に書かれているように,コーパスを使って単語を詳しく調べていくこともオススメです。
一回で覚えようとする必要もありませんし,忘れることに神経質になる必要もありません。
忘れたことでより深く理解できる機会を得た!ぐらいに思ってもらうとよいと思います。
辞書やスマホさえ手元にあればいつでも単語の意味や使い方を調べることができます。
知らない単語や,気になる単語はすぐ調べればOKです。
③文法
文法学習は,リーディングスクリプトを使うのがオススメです。
リーディングを通じての文法学習は,いわゆる精読です。
文構造の把握と意味理解を目的とした学習です。
文のS(主語:誰/何が),V(動詞:どうする),O(目的語:誰/何を,誰/何に),C(補語:何/どんな SかOを説明する)の把握と,
単語あるいは意味のまとまり同士の関係の把握です。
例えば,Coca-Cola’s new Coke ON subscription service makes Japanese vending machines more fun to use の見出しを使って文の構造を把握すると,
となります。
最初は短めの文章や,構造がシンプルな文章からスタートし,徐々に長めの文章や構造が込み入った文章に取り組んでみましょう。
単語の意味が分かれば,文中での意味の切れ目がどこか判断しやすくなります。
単語の使い方が分かれば,その単語がどう使われているか(S,V,O,Cのどこに使われているのか,文中のどの単語を説明する単語なのかなど)が分かります。
精読は,文法学習と同時に単語学習にもなります。
構造を把握し文章全体の意味を理解したあとは,英文の構造や意味を意識しながら音読をしていくとよいです。
文中での単語の使われ方や,ある単語はどの単語とよく一緒に使われるか,などの表現も身についていきます。
いざアウトプットへ
インプットやアウトプットのためのリハーサルがある程度できたら,どんどんアウトプットしていきましょう。
アウトプットをすると,自分が何ができないのか,何を知らないのかがはっきりしていきます。
はっきりしたら,足りないことを埋めるためにまたインプットをすればOKです。
インプットとアウトプットのためのリハーサル(使う練習),アウトプットの3つを適宜行い続けることが英語を使えるようになるためには必要です。
英語学習をはじめたばかり,あるいは,単語や文法の知識がないことを自覚している場合は,インプットとリハーサルをメインに行うことがマストです。
単語や文法の知識がある程度ある人は,英文の難易度を上げたインプットを継続しつつも,アウトプットのためのリハーサルやアウトプットを積極的に行っていきましょう。
英語学習の個別サポート,承ります。
下記からご連絡ください。