こんにちは,ヨカワユキです。
に続き,フィンランドの英語教育についての本をもう1冊おすすめします。
✓フィンランドの小学校英語教育について知りたい
✓自分の英語学習へのヒントが欲しい
あなたは要チェックです。
本の内容
・フィンランドの教育制度と教育哲学
・フィンランドの小学校における英語教育
・小学校の英語担当教員の養成システム
が主にまとめられており,これらを元に日本の小学校英語教育への提言をしています。
『フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか』に比べると,まるで研究報告のような学術的でやや堅い文章で書かれている本書。
とはいえ,小学校英語教育に関するデータや資料は豊富に掲載されており,とても興味をそそられます。
また,学校教育のベースである国としての教育思想や教育方針にも触れているので,
どういう目的でどこに向かって小学校の英語教育がなされているのかがつかみやすいです。
小学校から大量のインプット
フィンランドでの小学校英語教育と日本の小学校英語教育,こちらも違いがありすぎです。
私なりにまとめると,
・教科書やワークを通して大量に語彙と英文に触れさせている
ということが,フィンランドの小学校英語教育の特筆すべき点と思います。
具体的な達成目標
フィンランドの英語教育(小・中・高)は,CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)をもとに国が策定した,10段階のレベルに基づいて行われます。
それぞれのレベルに達するとこんなことができる,というのも具体的に記述されています。
つまり,小学校卒業時までに「聞く」「話す」「読む」「書く」それぞれ◯◯のレベルまで引き上げる,ということが英語教育の目標として明確に定められており,教科書やワークブック,指導方法などすべてがそれに準じて設計されているのです。
CEFRについての解説はこちら↓
学習初期から大量のインプット
フィンランドでは,総合学校3年(日本の小学校3年)から外国語教育がスタートし,教科書やワークブックを通して,初年次から大量の語彙と英文に触れさせています。
詳しくは本書に記載の表を見てほしいのですが,総合学校の3年~6年(日本の小学校3年~6年に相当)で3600超の語彙,4400超の文です。
ちなみに,この時点ですでに日本の小学校~高校の教科書(2020年度英語教育改革前)に登場する語彙数(3200超)を超えています。
フィンランドでは,総合学校9年(日本の中学校3年)までに,7300超の語彙と10000超の英文に触れます。
日本同様,高校でも英語教育が行われるので,触れる語彙と英文はさらに増えると思われます。
言語を習得しやすい若い時期に大量に触れる機会があることがどれだけ英語習得のプラスになるか。
第二言語習得(母語以外の言語をどう学び習得するか)の研究分野ではよく,外国語を身につけるためには大量のインプットが必要だと言われています。
まさにそれを行っているフィンランド。
小学校から英語を学び,高校卒業時までに4技能それぞれB2レベルまで引き上げる,というのも納得です。
下記,上記2冊のレビュー動画です。
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